徳島県阿南市立阿南第二中学校

2015.10.10

講師:佐瀬一洋先生

人数:2年生 61名

 徳島県の平成27年度の「がん教育総合支援事業」は、①がん教育総合支援事業協議会の開催②がん教育用教材の開発③モデル校でがん教育の実践④教職員対象の研修会開催⑤「徳島県がん教育総合支援事業報告書」作成の主に5つ。「保健学習(指導)に位置付けた『がん教育』の在り方」を研究テーマに取り組んできた。
 モデル授業は小学校3校、中学校1校で10月から12月にかけて実施。最初が阿南市の阿南第二中学校での順天堂大学大学院医学系研究科の佐瀬一洋教授の授業だった。2年生2クラス61名を対象に、医師でありがん体験者でもある外部講師の授業と、担任による事前授業という授業計画にした。事前授業では生徒たちに佐瀬教授への質問を書かせた。
「がんはなぜ発症するのか」「遺伝が関係するのか」「がんになって一番つらいことは何か」「笑うとがんになりにくいというのは本当か」などさまざまな質問が寄せられた。
 阿南第二中に続いて実施された橘小学校、桑野小学校、山口小学校の3校では、担任とさまざまな外部講師(がん経験者、県教委、看護師)の組み合わせでTT(ティームティーチング)授業が計画された。授業で使われた教材は、徳島県教育委員会指導主事の布川美保さんが開発。布川さんは桑野小学校と山口小学校では授業も行った。
 阿南第二中の授業後検討会には小中学校の養護教諭や医師・看護師など30名近くが参加し、活発に意見交換がされた。「がんに特化した授業は小学校では難しいのでは。専門的な内容より、命の大切さや生き方の問題にした方が良いと思う」「やはりがん患者の生の声を聴きたいという声も多い」「遺伝する、うつる、生活習慣がいけないなど、ネガティブなイメージが強い。もっと夢を持てるようなカリキュラムが必要」など多くの意見が出た。
 佐瀬教授は「現場の先生方が一番子供や授業のプロ。先生方の取り組みに感銘を受けた」と話した。