泉南中学校で授業/東京都杉並区

2023.10.2

講師:堀均さん

人数:2年生約70人

東京・杉並区立泉南中学校で10月2日、2年生を対象にがん教育の授業があり、生徒ら約70人が参加しました。日本対がん協会がんサバイバー・クラブのスタッフで、肺がんサバイバーの堀均さん(71)が講師を務め、闘病体験を通じて命の大切さなどを伝えました。授業の冒頭、若尾美暢校長が講師を紹介し、「がんに関する正しい知識を身に付け、今後の生活に役立ててほしい」と述べました。

生徒たちは保健体育の授業でがんに関する基礎知識を事前に学んでいます。この日の授業前半は復習を兼ね、堀さんが「1年間で新たにがんになる人数は?」「がんは防ぐことができる?」などのクイズを交え、日本では毎年約100万人が新たにがんと診断されていること、禁煙や節酒、運動などの生活習慣でがんのリスクを抑えられること、早期発見と適切な治療で多くのがんは治せること、早期発見にはがん検診の受診が大切なことなどを説明しました。

後半の闘病体験では、会社の健康診断の胸部X線検査から肺がんが見つかり、発見時の状態から放射線治療、外科手術によるがんの切除、抗がん剤治療と続いて休職したことや、治療費など経済的な負担から家族にも精神的な苦労があったことを紹介し、治療の痛みに加え、精神的にもつらかったと振り返りました。一方で治療中、がん患者を励まし、がん征圧をめざすチャリティ活動「リレー・フォー・ライフ」を知り、参加したこと。その体験を通し、東京五輪の聖火ランナーに選ばれたことも紹介しました。

講演後、生徒から「がんは早く見つけることが大事で、がん検診を受けるよう伝えたい。生活習慣も大事だとわかり、私たちも日々気をつけたい」と感想が語られました。