葛飾ろう学校で授業/東京都葛飾区

2023.11.13

講師:濱島明美職員

人数:約20人

葛飾ろう学校は11月13日、がん教育講演会を開き、高等部1年生と中学部2年生、教員ら約20人が受講しました。保健の授業で学んだがんに関する知識をさらに深める狙いがあります。日本対がん協会がんサバイバー・クラブの濱島明美職員が講師となり、がんの基本的な知識や乳がんの経験を通し、命の大切さを伝えました。

がん細胞は体の細胞が増えるうち、遺伝子の変化が原因になって生じます。加齢や遺伝子、生活習慣などさまざまな要因があり、がんは誰にでも起こり得ます。100%の予防はできませんが、禁煙や運動、食事などの生活習慣、ワクチン接種などでリスクを下げることはできます。「がんになるのは誰のせいでもない」と話し、がん検診で早期にがんを見つけ、適切な治療を受ければ生存率は上がると説明しました。

濱島職員は29歳の時、胸のしこりに気づき、病院で乳がんと診断されました。当時は受け入れられず、子どもに話せないまま手術を受けました。抗がん剤治療に伴う脱毛や、子どもとの時間を過ごすため一時的に仕事を辞めて転居したこと、がんの芸能人の訃報に子どもが心配したことがつらかったが、その後、がんも個性として前向きに生きようと考えたといいます。

現在、再発に伴う抗がん剤治療を続けている濱島職員は、体に異変があれば病院へ行くこと、正しい情報源からがんを正しく知ることが大切と話し、周りに患者がいたら「困ったことない?」「手伝うよ」と声をかけ、寄り添ってほしいと呼びかけました。

質疑応答では、小児がんについて質問がありました。小児がんは0~15歳未満の子どもがかかるがんの総称で、がんの種類では白血病や脳腫瘍、リンパ腫が多くなっています。最近では治療後の生存率も上がり、治せるようになってきたと説明しました。