深川第三中学校で授業/東京都江東区
2024.1.26
講師:濱島明美職員
人数:2年生約約180人
東京都江東区立深川第三中学校は1月26日、2年生を対象にがん教育の講演会を開き、生徒ら約180人が参加しました。がんについて正しい知識を学び、がん患者への理解を深めるとともに、健康に関心をもって適切な行動をとれるようにすることが目的。日本対がん協会は、がんサバイバーの職員が外部講師となって協力しました。
講師を務めたのは、乳がんサバイバーで、「がんサバイバー・クラブ」を担当している濱島明美職員。授業の前半は、がん細胞が発生する仕組みや治療、がん検診による早期発見、予防接種などによるリスク低減などについて説明。後半は自身の体験を語りました。
がん細胞は、正常な細胞が増殖する過程で遺伝子が変異して発生します。通常は体の免疫機能によって排除されるが、排除されずに増え続けるとがんになります。日本人の一生のうち2人に1人はがんになると言われ、がんを完全に予防できないが、たばこを吸わない、バランスの良い食事、運動など生活習慣を見直すことで、がんになるリスクを減らすことができます。
生活習慣のほか、遺伝や感染もがんの要因であり、子宮頸がん予防に効果のあるHPVワクチンの定期接種などを紹介。がんを発症しても早く見つけ、適切な治療を受ければ約9割は治せるため、がん検診を定期的に受けることが大切だとアドバイスしました。
濱島職員は29歳のとき、乳房に小豆ほどのしこりがあることに気づき、病院で受診して乳がんが見つかりました。手術を受け、治療を続ける中でも、しばらくはがんになったことを受け入れられませんでした。しかし、若い世代のがん患者の集まりに参加し、「がん患者だからできることもある」とプラスに考え、生きていこうと前向きになれたそう。濱島職員は「もし体調の変化に気づいたら早めに病院へ行ってほしい」と呼びかけ、「がんになっても、ならなくても誰もが自分らしく暮らしやすい社会をつくりましょう」と語りました。
質疑応答では、がん体験を社会で生かす方法や、治療中の食事制限について質問があり、病院での食事で思ったことなど治療中の体験を生かして食品会社へ就職した事例、乳がん患者の場合、食事や行動に制限はなかったことを説明しました。
終了後、生徒からは「がんになったとき、どうなるのかと思っていたが、生活習慣が大切なことを家族に伝え、がん検診を受けることも勧めたい」との感想が聞かれました。