桐生市・みどり市学校保健会研修会
2017.6.28
講師:佐瀬一洋先生
人数:教員、学校医、学校歯科医、学校薬剤師ら約130人
佐瀬一洋・順天堂大教授ががん教育の特別講演
群馬県桐生市の桐生市市民文化会館で桐生市・みどり市学校保健会研修会が6月28日に開かれ、佐瀬一洋・順天堂大学大学院教授が「モデル授業から得られたがん教育への感謝と期待~医師として、患者として、子どもを持つ親として」と題して講演した。文部科学省が今年度からがん教育の全国展開を始めたのを受け、がん教育の必要性や進め方について理解を深めるのが狙いで、教員や学校医、学校歯科医、学校薬剤師ら約130人が参加した。
佐瀬教授は、悪性骨軟部肉腫という希少がんを患いながらも多くの人に助けられ、乗り切ってきた経験を踏まえ、各地でがん教育を実践してきている。
講演会では、患者として、医師として、子どもを持つ親として少しでも社会の恩返しになればとの思いからがん教育に取り組むようになったことを紹介。初めてがん教育の授業に出向いた5年前は、医療機関と学校現場の相違点を理解しつつ共通点を見出すのに少し時間がかかったものの、現在は文部科学省から教えるべき9項目が示されていることを説明。そのすべてを教えようと身構えるのではなく、それぞれのニーズに応じて授業をすることをアドバイスし、「保健体育の先生だけにまかせるのではなく、学校全体で取り組んでほしい」と強調した。
また、文部科学省が4月に新たな映像教材の提供を始めたことや、日本対がん協会でも各種の映像教材を提供していることを紹介し、こうした教材をうまく活用することを勧めた。
さらに「がんとの闘いは情報戦である」として、国立がん研究センターがん情報サービスなどの信頼できる公的機関が出している冊子などを利用して授業の準備を進めることを勧め、「正しい情報を区別できるようにすることを教えてほしい」と訴えた。