矢口中学校で授業/東京都大田区
2023.1.27
講師:佐々木治一郎医師
人数:1・2年生計約350人
東京都大田区立矢口中学校は1月27日、1年生と2年生の計約350人を対象に体育館でがん教育の授業を実施。日本対がん協会を通じ、北里大学医学部新世紀医療開発センター教授で、北里大学病院集学的がん診療センター長の佐々木治一郎医師(腫瘍内科)が外部講師として講義を行いました。
佐々木医師は、「がんって、なに?」「なぜ、がんになるの?」とクイズ形式で生徒とやり取りしながら講義を進めました。正常な細胞の遺伝子が傷ついてがん細胞が発生する仕組みを説明。喫煙や細菌・ウイルスの感染、飲酒などが主な原因だが、原因不明のがんも約6割あり、がんになった人の生活が乱れているとは限らないと指摘しました。また、がんによる死亡が増えている理由では、高齢化や細胞を正常に保つ働きの低下を挙げ、誰もががんになる恐れがあると説明。早期発見で治せるがんもあるが、がん検診の受診率が低さもがん死亡が多い理由の一つと話しました。
がん予防では、禁煙や運動なども大切だとして「がんを防ぐための新12か条」を紹介し、がん経験者に話を聴くことも有効と助言しました。同席していたがん経験者の協会職員も「医師や看護師、周りの家族らに話を聴いてもらえるだけで支えになった」と振り返りました。
質疑応答では、生徒から「抗がん剤は髪が抜けてきついと聞いたけど本当?」「闘病期間はどのくらい?」「ステージ4は治りにくい?」などの質問があり、佐々木医師らが「頭髪だけでなく、全身の毛が抜けます」「脱毛はしても、吐き気などテレビドラマで見るような強い副作用を抑える薬も開発されてきた」「がんの種類と進み具合の組み合わせで治りにくさも変わる」と解説しました。