東戸山小学校で授業/東京都新宿区
2023.2.16
講師:古川孝広医師
人数:6年生約50人
日本対がん協会は2月16日、東京都新宿区立東戸山小学校(宇山幸宏校長)が実施したがん教育授業で、がん研有明病院先端医療開発科の古川孝広医師(がん薬物療法専門医)を外部講師として派遣し、授業に協力しました。
この日は6年生対象で教師らを含め約50人が出席。校内の集会施設に児童らが集まり、講師と向き合って話を聴くため、学校側はマスク着用などの感染症対策を講じました。
授業では、まず、がんという病気の説明がありました。ヒトの体の細胞は37兆個ともいわれ、一列に並べると長さは地球9周分になります。日々たくさんの細胞が新陳代謝で入れ替わりますが、遺伝子が傷ついて正常に働けない細胞ができることも。通常は体の免疫機能で排除されますが、まれに排除されず異常な細胞が増えることがあり、がん細胞になります。
遺伝子が傷つく理由は、受動喫煙を含む喫煙の影響が大きく、成人期の食生活や肥満、運動不足、ウイルス感染なども。また、高齢になると免疫機能が低下するため、長寿社会ではがんになる人が増えているとの説明もありました。
日本では毎年約100万人が新たにがんになり、死因の第1位もがん。一生のうち2人に1人はがんになるともいわれているが、たばこを吸わない▽お酒を飲みすぎない▽バランスの良い食事▽適度な運動▽適正体重の維持▽感染対策などで、がんをある程度予防できます。もし、がんになっても全体で半分以上、早期発見で約9割は治ります。早期発見には、がん検診も受診が大切と呼びかけ、外科療法、放射線療法、化学療法についても説明しました。
授業の後半では、同年代の小児がん患者の生活にも触れ、もし身近な人ががんになったら自分にも出来ることがあるか考えてほしい。元気でいられること、普通に生活出来ることに感謝して毎日大切に生きてほしい、と語りかけました。
質疑応答では、児童から「がんの目印は?」「がんは何種類?一番重いがんは?」などの質問があり、古川医師は「尿や便の潜血がきっかけで見つかることも。ただ、気になることがあってもがんではないことも多い」「がんは体の臓器のある場所などにでき、その状態で何種類にも分かれる」などと説明しました。