三鷹市立第一中学校で授業/東京都三鷹市

2025.1.18
講師:阿蘇敏之職員
人数:約600人
日本対がん協会は、東京都三鷹市立第一中学校が1月18日に実施した「がんを知る教室」に協力し、がん経験者の職員を外部講師として派遣しました。この日は土曜授業公開にあたり、2、3年生と保護者ら約600人が聴講しました。
がんを知る教室は、日本人の死因第1位で身近な病気のがんを正しく理解するとともに、がん経験者の話から健康や命の大切さについて学びを深めようと初めて開かれました。講師は、がん患者・家族を地域ぐるみで支えるとともに、研究助成などでがん征圧をめざすチャリティ活動リレー・フォー・ライフを担当する阿蘇敏之職員が務めました。
阿蘇職員は20歳のときに精巣がんの手術を受けましたが、43歳のときに転移再発して抗がん剤治療などを受けました。講演ではクイズ形式でがんに関する基礎知識を説明し、闘病経験を語る中でがんの治療法などを解説しました。治療法には、抗がん剤による化学療法、外科手術を行う手術療法、放射線療法があり、医師と相談しながら決めます。抗がん剤治療を受けたときは副反応として倦怠感や吐き気、脱毛、末梢神経障害などに悩まされたことを振り返りました。
気持ちがイライラして周囲に当たっても家族は笑顔で接してくれたり、脱毛した眉毛をメイク道具で描いてくれたりしました。友人や医療関係者にも支えられながら、子どもの卒業式や家族旅行を目標に治療を続けました。その経験から、阿蘇職員は「支え合い」が大事であり、悩みなどがあれば声に出し、家族や周りの人に相談してほしいとアドバイスしました。
がんは細胞の遺伝子が傷つくなどして発生します。日本人の場合、2人に1人は一生の中でがんになる可能性がある病気だが、早期発見と適切な治療で約9割は治ります。それにはがん検診が大切だが、対象年齢に満たない若い人は体調に異変を感じたら医療機関で受診してほしいと話しました。
講演後、生徒からは治療中の食事や、早期発見のためにできることなどの質問が出ました。最後に生徒代表が「がんは早期発見が大切であり、日々の生活を改めることも大切だと思いました」と感想を述べました。