2025年08月06日

お知らせ

【がん検診デジタル無料クーポン 2024年度利用者アンケート】貧困対策に 健康面の支援の必要性

日本対がん協会は2024年度に発行した「がん検診デジタル無料クーポン」の利用者アンケートをまとめました。支援団体を通した利用者からは、健康に関する経済的支援を求める声も多く、がん検診の受診率向上のためには貧困対策も課題の一つだということが改めて示されました。
 
がん検診デジタル無料クーポンは、コロナ禍の中で減少したがん検診受診者数の回復などを目的に、がん検診対象者に発行していた無料クーポン券(印刷物)をスマートフォンなどで入手できるようにデジタル化して2022年に運用を開始。翌年から国の第4期がん対策推進基本計画、日本対がん協会の中期計画が掲げる「誰一人取り残さないがん対策」の推進と、5つのがん検診(胃、肺、大腸、乳房、子宮頸部)の受診率60%という国の目標達成に向け、貧困世帯やひとり親家庭、非正規社員など、がん検診を受けたくても受けられない人たちを対象に、支援団体や全国の健診(検診)団体と協働してデジタル無料クーポンを発行しています。
 
2024年度は連携する支援団体を増やすとともに、がん検診や健診を実施している全国のグループ支部も独自にキャンペーンを展開。クーポン発行申請は2734件、受診件数は1457件(使用率53%)となり、受診件数は前年度を上回りました。
 
支援団体を通じた申請者とグループ支部など健診(検診)団体を通じた申請者にアンケートを実施し、受診歴を比較したところ、支援団体を通じた利用者は受診していない期間が長い傾向にありました。
 

 
また、受診動機を聞いたところ、「無料だった」49%、「以前から行きたいと思っていた」32%と無料クーポンががん検診を受診するきっかけになっていることがわかりました。コメント欄には感謝の言葉のほか、「ひとり親家庭で金銭面や時間的な問題で自身の健康が後回しになっていた」といった意見が複数寄せられました。「無料で受診できる機会がなければ、きっと何かの症状がでるまで受診することはなかったと思う」とのコメントもあり、貧困対策に健康面の支援を組み入れることの重要性が改めて浮き彫りになりました。