朝日がん大賞・日本対がん協会賞
「朝日がん大賞」は日本対がん協会賞の特別賞として、朝日新聞社の協力で2001年に創設されました。対象分野は、日本対がん協会の活動の柱である「がん予防」全般とし、がん征圧に向けて優れた実績をあげて社会に貢献し、かつ、第一線で活躍している個人・団体を顕彰します。将来性のある研究の発掘、医療機器類の研究・開発、患者・治癒者の活動やケアなどの分野も対象としています。
「日本対がん協会賞」は対がん活動に顕著な功績のあった個人及び団体を顕彰して、がん征圧運動の一層の高揚を図ることを目的としています。
朝日がん大賞
2024(令和6)年度の受賞者
「全ゲノム情報に基づく新たな治療薬の開発やがん予防への貢献」
中釜 斉(なかがま・ひとし)氏 68歳 国立がん研究センター 理事長
1995年に国立がんセンター(現国立がん研究センター)研究所の発がん研究部室長に着任以来、環境中の発がん要因や遺伝子レベルでの要因を解明する研究に従事し、2016年から同センター理事長を務める。わが国で遺伝情報をもとに個人に適した医療を提供する「がんゲノム医療」が進む中、がんや難病の全ゲノム解析(DNAが持つ全ての遺伝情報の解析)に関する厚生科学審議会の専門委員会委員長や、ゲノム解析等の事業実施組織設立へ向けた準備室長として活躍。現在、全ゲノム情報に基づく新たな治療薬の開発や疾病予防への展開など、日本のがん対策に貢献している。今後、ゲノムデータ基盤によるがん予防への展開が期待される。
「朝日がん大賞」 過去の受賞者
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日本対がん協会賞
2024(令和6)年度の受賞者・受賞団体(4個人、1団体)
◇ 個人の部 (50音順)
神奈川県
雨宮 清(あめみや・きよし)氏 79歳 雨宮クリニック 院長
経済的に困窮する住民や外国籍の住民も少なくない横浜市中区で、英語をはじめ複数の外国語を駆使して婦人科がんの検診、予防の啓発に努めている。また、専門領域である絨毛性疾患に対しては、全国に先駆けて神奈川県で実施されている登録事業の統計分類から、新たな臨床分類を行い、関連学会へ提唱して採用されるなど、全国の医療機関での治療に貢献した。
鹿児島県
池田 琢哉(いけだ・たくや)氏 77歳 鹿児島県民総合保健センター 前理事長
2010年、鹿児島県医師会長への就任と同時に鹿児島県民総合保健センター理事長(日本対がん協会鹿児島県支部長)に就き、県内のがん検診、がん予防事業に尽力した。2011年に乳房X線(マンモグラフィ)を2機搭載したデジタル検診車を全国に先駆けて導入し、2019年3月に検診車のデジタル化を完了した。南北600kmと広く、28の有人離島を含む県内全域で検診車による巡回健診を実施し、県民の健康維持に貢献した。
山梨県
長田 忠孝(おさだ・ただよし)氏 79歳 山梨県健康管理事業団 理事
1982年に組合立飯富病院に入り、山梨県内で初めて市町村と連携した肺がん検診を実施してきたほか、過疎地域での肺がん患者等の医療に精力的かつ継続的に取り組んできた。1983年からは肺がん読影医として山梨県健康管理事業団の検診に携わっており、同事業団理事に就いた2013年から診療医も務め、診察医と読影医の両輪で長年にわたり、がん検診に積極的に関わっている。また、2014年に開業した「長田在宅クリニック」では、がん患者の看取りも行うなど、地域医療に貢献している。。
香川県
久米川 啓(くめがわ・はじめ)氏 70歳 香川県総合健診協会会長
香川県医師会長。長年にわたり、香川県内のがん検診受診率の向上、がん予防の知識の啓発に尽力した。50代前半までの働く世代では、男性よりも女性のがんが多く、20~30代では女性が80%を占めることから、女性のがん対策に重点を置き、乳がん検診子宮頸がん検診の同時実施や、居住地を問わず受診できるよう配慮するなど、女性のがん検診の受診率向上、がん死亡率の低減に貢献。若年層へはイベント開催によって子宮頸がん予防を呼びかけた。
◇ 団体の部
滋賀県
滋賀県がん患者団体連絡協議会(菊井 津多子 会長)
2008年、滋賀県のがん医療の向上、がんになっても安心して暮らせる社会づくりへの貢献を目的に設立された。あけぼの滋賀▽日本オストミー協会支部▽滋賀肝臓友の会▽より良いがん医療を目指す近江の会▽肺ゆう会~しが~の5団体で構成する。医療機関、職能団体、行政と課題を明確化し、必要な方策を協力して実施し、県民主導によるがん対策推進の原動力となっている。
日本対がん協会賞 過去の受賞者(個人)
日本対がん協会賞 過去の受賞者(団体)
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《2024年度 選考委員会》
副委員長 大内 憲明(東北大学大学院 医学系研究科 特任教授、東北大学名誉教授)
選考委員 梅田 正行(日本対がん協会 理事長)
(50音順) 佐野 武(がん研究会有明病院 病院長)
津金 昌一郎(国際医療福祉大学大学院 医学研究科 公衆衛生学専攻 教授)
松本 吉郎(日本医師会 会長)
矢部 丈彦(朝日新聞東京本社 くらし報道部長)
《2024年度 選考委員会》
垣添 忠生(日本対がん協会 会長)
<副委員長>
大内 憲明(東北大学大学院 医学系研究科 特任教授、東北大学名誉教授)
<選考委員(50音順)>
梅田 正行(日本対がん協会 理事長)
佐野 武(がん研究会有明病院 病院長)
津金 昌一郎(国際医療福祉大学大学院 医学研究科 公衆衛生学専攻 教授)
松本 吉郎(日本医師会 会長)
矢部 丈彦(朝日新聞東京本社 くらし報道部長)
※1968(昭和38)年度の第1回からの受賞者・団体名を記載した2024年度版の名簿は、以下よりダウンロードいただけます。