子宮頸がんと子宮体がんの基礎知識

1.子宮の構造と子宮がん

子宮の構造図

子宮は、骨盤に守られるように女性の下腹部にあり、洋梨を逆さまにしたような形をしています。

膣につながる部分が、子宮頸部、赤ちゃんができると出産までとどまる部分が子宮体部です。

子宮がんには、がんができる場所によって、「子宮頸がん」と「子宮体がん」がありますが、原因も発症のメカニズムも全く異なるがんです。

子宮頸がんが多く発生するのは、子宮頸部の入り口である外子宮口のあたりです。がん細胞の増殖はゆっくりで、正常な細胞が浸潤がんになるのに5〜10年以上かかるといわれています。そのため、定期的に検診を受ければ、がんになる前の段階で見つけることが可能です。

子宮体がんは、「子宮内膜がん」ともいわれるように、子宮内膜に多く発生します。内膜は生理のときにはがれてしまうので、閉経前に子宮体がんが発生することはまれだといわれています。年齢別にみた発生率(罹患率)は、40歳代後半から増加して50歳代から60歳代にピークを迎え、その後減少しています。子宮体がんの検診は国の指針では勧められていませんが、子宮体がんは症状が進行していない早期の段階で不正出血を起こすことが多く、少量でも出血があれば、すぐに医療機関を受診することで早期発見が可能です。

2.罹患数(新たに子宮がんと診断された人の数)と死亡数のデータ



年代別子宮がん罹患数(2019年)

出典:
chevron_right公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計2024」

年代別にみると、子宮頸がんの罹患数は、20代後半から増え40代がピークになります。若い女性に目立つがんです。

増加傾向にあった子宮頸がんの死亡数は2015年からいったん落ち着いたものの、17年から増加傾向にあります。

最終更新日:2019年2月5日