検診の意義と目的

乳がんは、無症状のうちに検診を受診すれば早期発見につながり、適切な治療によって治癒の確率も高くなります。

1.乳がん検診の意義と目的

近年日本人女性に急増している乳がんですが、治療法が進み、早期に見つけて適切に治療すれば9割以上のケースで治癒が期待できます。そのために大切なのが検診です。一次検査に用いられる乳房X線検査(マンモグラフィ)は科学的に乳がんによる死亡率の減少効果があると証明された方法です。ぜひとも、定期的に検診を受けて下さい。

乳がん(女性)の臨床病期別5年相対生存率
 臨床病期全症例手術症例病期判明率追跡率
生存率100%95.9%80.4%38.8%18,15216,57999.4%98.1%

※【5年相対生存率】 がんと診断された場合に、治療でどのくらい命を助けられるかを示しています。がんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、一般の日本人の5年後の生存率と比べてどのくらいなのかをパーセントで表しています。

出典:全がん協加盟施設の生存率共同調査
全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率(2011-2013年診断症例)

上の表にあるように、がんが発見できても臨床病期(進展度、ステージ)が進んでいる状態だった場合は、5年生存率が下がってしまいます。早期に見つけ乳房を温存する治療法を選べる可能性が高く、生活の質(QOL)の向上につながります。早期がんのうちに発見して治療することが重要になります。

2.乳がん検診の現状

日本対がん協会が2017年に全国の支部で行った乳がん検診の結果では、受診者数は126万1551人、うち精密検査が必要と判定された人(要精検者)は5万6438人(要精検率4.47%)、精密検査を実際に受診した人(精検受診者)は5万1356人(精検受診率91.00%)。がんを発見された人の数は3043人、その割合は0.24%でした。

乳がん二次検診を受ける必要のある人、がんが見つかる人の割合

(参考)各検査項目別に見た割合

この結果から、乳がん検診を1万人が受診すると、447人が「要精密検査」と判定され、精密検査(二次検診)を受けるように勧められます。
精密検査を受けた人は407人でした。そして、407人の中から24人に乳がんが発見されたという割合になります。
この数は、全国で実施された乳がん検診の、「視触診のみ」、「乳房X線(マンモグラフィ)のみ」、「超音波のみ」、「視触診と乳房X線(マンモグラフィ)」、「視触診と超音波」、「乳房X線(マンモグラフィ)と超音波」、「視触診と乳房X線(マンモグラフィ)と超音波」の7つの検査を合わせた割合です。
各検査項目別に見た場合は、右の図のようになります。

 

最終更新日:2022年10月5日

   

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