がん検診の意義と目的
がんの中でも日本人に多いのが胃がんです。
ふだん、胃の調子が悪いと思わないうちに早く見つけて治療すれば、ほとんど治癒が可能です。
1.胃がん検診の意義と目的
胃がんの一次検診について、国の指針は、問診と胃のX線検査・胃内視鏡検査が勧められています。症状のないうちから検診を受けていると、早期に発見される可能性が高く、その段階で治療すれば、ほぼ治癒が可能です。
胃がんの臨床病期別5年相対生存率
臨床病期 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | 全症例 | 手術症例 | 病期判明率 | 追跡率 | |
胃 | 生存率 | 98.7% | 66.5% | 46.9% | 6.2% | 22,946 | 12,532 | 97.9% | 98.1% |
※【5年相対生存率】 がんと診断された場合に、治療でどのくらい命を助けられるかを示しています。がんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、一般の日本人の5年後の生存率と比べてどのくらいなのかをパーセントで表しています。
出典:全がん協加盟施設の生存率共同調査
全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率(2011-2013年診断症例)
上の表にあるように、がんが発見できても臨床病期(進展度、ステージ)が進んでいる状態で見つかった場合は、それだけ5年生存率が下がってしまいます。そのためにも、早期がんのうちに発見して治療することが重要になります。
がん検診の目的は「検診を受けた一定の集団の中で、がんで亡くなる人の割合(死亡率)を減少させること」です。検診の意味を正しく理解し、定期的に、そして結果が出るまできちんと受診し、がんによる死者を減らしていきましょう。
2.胃がん検診の現状
日本対がん協会が2017年度に全国の支部で行った胃がん検診の結果では、受診者数は204万2887人、うち精密検査が必要と判定された人(要精検者)は13万1902人(要精検率6.29%)、この中で精密検査を実際に受診した人(精検受診者)は10万3034人(精検受診率78.11%)でした。
この検診を通してがんを発見された人の数は2435人、その割合は0.12%でした。
胃がん検診を1万人が受けると、629人が「要精密検査」と判定され、精密検査(二次検診)を受けるように勧められます。
精密検査を受けた人は491人でした。そして、491人の中から12人に胃がんが発見されたという割合になります。
最終更新日:2022年10月5日