肺がんの基礎知識
1.肺の構造と肺がん
肺は呼吸をするためになくてはならない器官です。肺では、呼吸によって吸い込んだ空気から酸素を体内に取り込み、体内から二酸化炭素を取り出して口から吐き出す役割をしています。鼻(口)から入った空気は気管を通じ、気管支から左右の肺に入ります。気管支の末端は酸素と二酸化炭素の交換をする肺胞につながっています。
左右の肺は対照ではなく、右の肺は頭のほうから上葉、中葉、下葉の3つに分かれていて、左は心臓があるため上葉と下葉の2つに分かれています。
肺がんには小細胞がんと非小細胞がんがあります。さらに、非小細胞がんを腺がん、扁平上皮(へんぺいじょうひ)がん、大細胞がんの3種類に分類しています。
肺がんは、大きく分けて肺門部(はいもんぶ)と肺野部(はいやぶ)に発生します。肺門部は肺の入り口の太い気管支のことで、扁平上皮がんが多く、肺野部と呼ばれる気管支の末梢から肺胞のある肺の奥の部分には、腺がんという種類のがんが大部分です。
肺門部のがんは喀痰細胞診や気管支鏡で見つけやすく、X線では見つけにくいのですが、反対に肺野部のがんはX線写真で見つけやすいがんです。
2.罹患数(新たに肺がんと診断された人の数)と死亡数のデータ
※上皮内がんを除く
※総数は男女および性別不詳の合計
出典:
chevron_right国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計」
chevron_right厚生労働省「全国がん登録 罹患数・率 報告 2020」
最新の2020年のデータでは、肺がんになった人の総数は12万人を超えています。
部位別死亡数を最新の2021年のデータで見ると、男性で5万3278人で1位、女性では2万2934人で2位、男女合計では7万6212人も亡くなっています。
最終更新日:2024年8月23日