2020年12月28日
お知らせ
がん検診の受診率向上策を検証する厚労省事業 日本対がん協会が実証事業者に
日本対がん協会は、国立がん研究センターとともに厚生労働省の「予防・健康づくりに関する大規模実証事業」の一つ「がん検診のアクセシビリティ向上策等の実証事業」で調査研究の実務を担う「実証事業者」に採択されました。この実証事業は「がん検診の受診率を向上させるには、どのような手法で取り組むのが効果的か」について、エビデンス(科学的根拠)を収集して検証していくものです。全国各地の日本対がん協会グループ支部が提供している精度の高いがん検診をベースに、さまざまな受診率向上策の効果についてエビデンス収集と検証を進めます。
がんを早期発見・早期治療し、がんによる死亡を減らすためにがん検診は不可欠です。国の第3期がん対策推進基本計画はがん検診の受診率を50%以上にすることを目標に掲げていますが、現在のところ達成しているのは肺がん検診(男性)だけというのが実情です。
こうした状況を打開するため、ノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者リチャード・セイラー教授が提唱した「ナッジ」(ひじで軽く押す=選ぶ自由を残しつつ、人々を望ましい方向へとそっと後押しする取り組み)の理論を取り入れたり、ソーシャルマーケティングの手法を使ったりして、さまざまな受診勧奨の試みが行われています。
今回の実証事業では、全国の支部が実施している検診の現場で、どのような受診勧奨を行うと受診率が向上するかなどを調査します。また、自治体から検診機関への委託契約に成果指標を取り入れている先進的な事例に関する情報収集も進めます。期間は2023年3月までの予定です。