2022年04月04日

お知らせ

2021年のがん検診受診者数 新型コロナ流行前より10.3%下回る
前年比23.5%増で回復傾向も受診控えなど影響 日本対がん協会支部調査

新型コロナウイルス感染症の影響で受診者数が落ち込んでいるがん検診の状況を把握するため、公益財団法人日本対がん協会(垣添忠生会長)は、グループ支部が2021年に実施した5つのがん検診(肺、胃、大腸、乳、子宮頸)の受診者数についてアンケート調査し、結果をまとめました。国内で感染拡大が始まった2020年の受診者数と比べて23.5%増と回復しましたが、コロナ流行前の2019年を10.3%下回っており、コロナ禍の影響が続いていることがわかりました。
 
アンケート調査では、がん検診(住民検診)に携わる42支部に協力を求め、回答を得た33支部のデータを集計しました。2021年の延べ受診者数は537万6,513人と、2020年の435万4,352人(前年比27.4%減)から102万2,161人(23.5%)増えました。しかし、2019年の599万4,398人に比べて61万7,885人(10.3%)下回っています。
 
5つのがん検診別に2019年と2021年の受診者数を比べると、胃がんは13.2%減で減少率が最も大きく、肺がんは11%減、乳がんは9.9%減、大腸がんは9.0%減、子宮頸がんは8.0%減となっています。
 
2020年にがん検診の受診を控えた人のうち、かなりの人が2021年に受診したとみられますが、2019年の受診者で、2020、2021年と続けて受診を控えた人も少なからずいると推測されます。また、新型コロナの感染を防ぐため、検診会場では1日あたり受診者数の制限、集団検診から個別検診への移行などの対策が講じられました。
 
各支部では、検診会場での換気や検査機器の消毒、職員の手洗い、マスク着用、検温を徹底し、時間帯別予約や受診者数の制限にも取り組んでいます。
 
がんは早期に発見できれば治る可能性が高く、がん検診では多くの早期がんが見つかっています。受診者数の回復のため、日本対がん協会は4月から、がん検診無料クーポンをデジタル化して検診対象者の経済的な負担軽減と利便性の向上を図り、プレゼントキャンペーンを展開します。今後も、グループ支部や自治体、研究施設と協力し、さまざまな事業を通してがん検診の受診率向上に努めます。