2008年10月17日

お知らせ

大分、徳島、高知でリレー・フォー・ライフ

大分のリレー 「リレー・フォー・ライフ(RFL)」の後半が10月11日から12日にかけ、大分、徳島、高知各会場で開かれました。九州、四国での開催は初めてでした。

「リレー・フォー・ライフ大分」は、当初の予想を上回る2000人が参加し、ボランティア精神と手作り感にあふれたチャリティーイベントとなった。医師の坂下千瑞子・実行委員長が、自らのがんを乗り越えて昨年のRFL芦屋に参加、その感激を胸に、仲間と準備を進めてきた。九州初のRFLとして、これ以上望めないスタートになったといってよい。
大分市と由布市境界の丘に広がる大分大学医学部のグラウンドが会場で、医学部祭と同時に開催した。この場所とタイミングの選択が、相乗効果を生み、成功の一つの要因になった。RFLにとっては、隣接する学校のトイレや体育館が使えたこと、多くの医学部関係者、学生が関心を寄せ実行委員会への参加者も出たこと、入口近くに医学部祭の模擬店がずらりと並び、飲食の「選択肢」が大きく広がったこと、などメリットが多かった。
一方、医学部にとっても、RFLが身近で開催されたことは学生への生きた教育になったという。連携の一環として、「希望」をテーマにしたRFLの講演が医学部祭の企画に組み込まれ、医師や看護師のたまごを含む超満員の聴衆が、涙をぬぐいながら、大会会長の山岡憲夫医師による「ホスピスの現場から」や、がんと闘う元養護教諭・山田泉さんの「『いのちの授業』をもう一度」などの話に聞き入った。
地元名物「鶏飯」の即売コーナー、きのこ汁の差し入れ、ルミナリエの一部に地元特産の竹が使われるなど、郷土色豊かなイベントともなった。地元マスコミ、特にテレビ局が熱心に取材してくれた。RFLの知名度は大きくアップしたといえるだろう。
10月11日午後1時に始まったRFLには、40チームが参加、ほとんどがたすきをつなぎ、24時間歩き通した。涙と笑いがはじけた閉会式で、成果が発表された。「2070人が参加、337万7206円の寄付が寄せられました」
希望、連帯感、充実感を胸にした参加者からは、「来年も、再来年も会いましょう」の声が相次いだ。力を合わせ、整然と行われた後片付けを含め、見事な運営であった。

徳島のリレー 高台に上ると港を出入りする船影が美しい、徳島県小松島市の「しおかぜ公園」は、開幕まで1時間と迫った昼前から急に人が増えだした。
どうしても仲間が集まる場が欲しいと「リレー・フォー・ライフ とくしま2008」の開催を呼びかけた渋谷義久さんが「小さな一歩だが、大きなものになるときがきっと来る」と涙声で挨拶し、高知とともに四国で初めてになる催しの幕が開いた。実行委員長の松本雅史さんが「患者さんには励ましになれば、一般の方にはがんの知識を知っていただければと思いみんなで力を合わせて取り組んできた」とやはり胸を詰まらせながら、木箱を組み立て大人数人がやっと乗ることができる小さな手作り舞台で、開会を宣言した。
1周200㍍足らずの散策道は緑が美しい。思い思いのフラッグを手で持ちながら歩く光景に、こじんまりとした公園はたちまち賑わいを見せた=写真。ところどころで立ち止まって学びながら楽しむクイズには地元の中学生も大勢参加し、大人も子供もマジック、紙芝居など手作り感満載のプログラムを楽しんだ。
徳島での開催をめざした実行委員会には音楽好きが多かった。コースわきの広場を中心にコンサートが続き、夕闇とともに静かなルミナリエに移っていった。2日間の参加者は1000人に近く、徳島県総合健診センターからも検診車2台が参加して一日に50人ずつ肺がんと乳がんの無料検診を行い好評だった。

高知のリレー 高知県南国市にある高知大学医学部グラウンドで開いた「リレー・フォー・ライフ2008 in 高知」は、同じ日に医学部学園祭が開かれたキャンパスと場所が近いこともあり、大勢の若者がリレーウォークの応援に駆けつけた。幼稚園児によるマーチングバンドや琴、口笛演奏、がん治療の専門家や患者代表が参加した討論会「今、私たちが考えたい事」に続き、昼間はにぎやかな雰囲気の中で1周300メートルを仲間同士話し合いながら歩く光景が目立った。
会場の片隅には、高知県総合保健協会から乳がん検診車が来場し、30人を無料検診してがんの相談に乗った。
キャンドルライブ。日本対がん協会の「ほほえみ大使」であるアグネスチャンさんからのビデオメッセージが会場に流れる。アメリカ対がん協会から励ましのメッセージが伝えられた=写真。ライブショーに続くルミナリエセレモニーでは、全国のリレー・フォー・ライフで支援演奏を続けるサックス奏者坪山健一さん(通称つぼけん)の力強く透き通る音が響いた。
夜は、あちこちで語らいが続く。病気のこと、身近な悩み、それぞれの過去、現在、未来を話し合っていた。闇の舞台に置かれた無人のテーブルを光が照らし、がんに携わる人々の苦労や患者・家族の思いを朗読するエンプティ・テーブルが静かなひとときを演出し、語らいは遅くまで続いた。
24時間たすきをつないだチームが舞台でメダルを受けて拍手を浴びた後、実行委員長の松浦喜美夫・仁淀病院院長が「また会うことができればうれしい」とのべ1000人が集まった催しの最後に閉幕の挨拶をすると、大きな拍手が起きた。

 「リレー・フォー・ライフ2008」は後半の3カ所を終え、今年予定された6カ所すべて終わりました。お力を貸していただいたみなさま、参加していただいたみなさま、そして一年がかりで開催を準備してきた実行委員会のみなさま、お世話になりほんとうにありがとうございました。来年はまた開催場所が増えるかもしれません。今後ともこの催しを育てていただくようお願いいたします。