2025年12月26日

お知らせ

2026年を迎えて新たな気持ちでグループ一丸となってチャレンジを

公益財団法人 日本対がん協会会長 垣添忠生

 

 明けましておめでとうございます。世界は地政学的に難しい事態にありますが、新しい気持ちで新年を迎えましょう。
 
 日本対がん協会グループとして60年以上展開してきたがん検診事業は、皆様の受診勧奨のご努力や予約制の導入などで新型コロナ感染症の影響から回復しつつあります。しかしながら、特に早期がん発見の減少は多大な損失であり、広い目で見れば国家としても、また、個々の人生に与える影響も甚大です。がん検診は無症状の時期に介入して、がんで亡くなる人を減らすことを目的とした医療行為であることを改めて想起させます。
 
 わが国も含めて世界のがん対策は予防、検診、治療、緩和ケアで構成されています。なるべく医療費の増大を抑えながら国民をがんから守るには、予防と検診に注力することが当協会にとって最も合理的なアプローチだと私は考えます。
 
 予防では、ワクチン接種と禁煙の重要性を忽(ゆるが)せにできません。女性を子宮頸がんから守るHPVワクチンは2022年度から定期接種の積極的勧奨が再開され、キャッチアップ接種も行われました。当協会の調査では接種率は増加傾向にあり、よい兆しが現れています。予防も早期発見も可能な子宮頸がんで年間3000人近い女性が亡くなる悲しい現実は、他の先進国では見られない現象です。当協会も子宮頸がんやHPVワクチンに関してさらに情報発信に努めていきます。
 
 禁煙についてもタバコ産業のイメージ戦略に負けない、より訴求力の高い活動を行っていく工夫が求められるでしょう。
 
 検診によるがんの早期発見は、年間に約100万人が罹患し、約38万人が亡くなっている日本の現状を考えますと、重要性がいや増します。2022年度から発行しているがん検診のデジタル無料クーポンは、特にこれまでがん検診を受けたことがない人、シングルマザーなど検診を受けにくい人たちに配慮しながら告知し、感謝の言葉が寄せられています。この事業には引き続き力を入れていきたいと思います。
 
 がん検診研究への助成金は4年目となります。2025年度は医師以外の方、若い研究者からも応募をいただきました。医師として進行がんで亡くなる方々の悲劇を数多く目にしてきた私は、がん検診に対してはとりわけ強い思い入れがあります。
 
 日本対がん協会グループとしても、これからのがん検診には人口減少と高齢受診者の増加、新しい検診技術の導入など多くのチャレンジが待ち受けています。グループ一丸となって取り組みたいと願っています。
 
 がん検診の受診率向上には組織型検診の仕組みが必要です。2025年度のがん征圧全国大会記念シンポジウムで、組織型検診への移行の課題をテーマに取り上げました。わが国には自治体検診、職域検診、人間ドックの3つがありますが、正確な受診率が把握できていません。組織型検診の導入は国家レベルの仕事ですが、当協会も強く実現を目指します。
 
 治療ではゲノム医療の定着、新薬の開発や新技術の導入などは患者さんの希望に繋がります。問題は医療費の高騰であり、予防と検診に注力することは、わが国が世界に誇る国民皆保険制度を守るうえでも重要です。
 
 がんの基礎研究に対する助成金は2025年度も増額し、研究費獲得に苦労しておられる研究者のお役に立てるよう継続しています。
 
 リレー・フォー・ライフ、ピンクリボン活動、がんサバイバー支援、がん相談ホットラインなどの対がん活動もさらに充実させたいと考えています。
 
 新たにスタートした本年が皆様にとって良き年になりますよう! そして、当協会の活動に変わらぬご支援をお願い申し上げます。